多様な中国語

中国国民は56の民族に分けられ、話される言葉も民族によって様々です。 一口に中国語といっても上海では上海語が、広州や香港では広東語が、台湾へ行けば台湾語が使われています。 また都心部から離れた内陸地方では、さらに独自の言語が発達しています。日本にも方言があるように中国にも各地方で話されている言葉があるのです。 しかし中国における方言の違いは日本の方言のように少し訛りがあるといったようなものではありません。 上海の人と香港の人が会話しても全く通じないほどその差は大きいのです。 同じ中国人同士でも広東語を話す人にとって、上海語は「外国語」と言ってしまってもおかしくないくらいです。 実際中国民放のドラマなどでは、中国人向けに中国語の字幕が入っているほどです。 しかし中国政府はこれら複数の言語の統一化を図るため1950年代以降、標準語の普及活動を進めてきました。 標準語は首都北京で使われている北京語ベースに標準化された言語で「普通語」と呼ばれています。 多様に存在する言葉のうち一体何語を学べばよいのか迷うかもしれません。 しかし、テレビやラジオの中国語講座で流されたり、一般的に「中国語」と言われているのは、この普通語と呼ばれるものです。

中国語は難しいか

では、中国語は日本人にとって難しいものなのでしょうか?あるいは共通した「漢字」を使うため、学びやすいのでしょうか? 実は勉強する分野(読、書、聞、話)によって異なります。日本人留学生が外国人留学生よりも遥かに秀でている分野は リーディング、ライティング能力です。やはり漢字を使うため、日本人には文章の意味を捉えやすい分、読み書き については日本人が圧倒的に有利ということになります。 対照的に発音が苦手な日本人にとってはヒアリング、スピーキング能力はウィークポイントです。 中国語には日本の50音には存在しない舌を巻いたり沿ったりするような発音がたくさんあります。 発音にスポットを当てた場合、英語圏の人々がやや有利であることは確かです。 日本人にとっては難関である発音を完全に制覇することが中国語を早くマスターする近道と言えるでしょう。