発音の重要性

いざ、中国語の勉強を始めるにあたり、何からどう手をつければよいのでしょうか?漢字の読み方さえ分かれば 意味が分かるのではないかと考え、漢字の読み方から覚えたり、挨拶や文法をいきなりマスターしようとする人が いますが、こういった順序で勉強を始めるのは中国語学習におていは致命的な手段となります。この勉強方法では 挨拶や文法を学び終え、中国人相手に話し掛けたところで、まず通じません。え?何故!?と思われるかもしれませんが、 これが実態なのです。実は中国語は発音の重要性が鍵となります。例えば、日本語では「チ」に聞こえる音でも中国語には 2種類の「チ」に聞こえる音(厳密には「チ」ではない)があります。これをはっきり区別できるように発音しないと、 中国語を喋っているつもりでも中国人には理解してもらえないのです。 中国語の発音をアルファベット表記で示すピンインを用いると、中国語には「chi」と「qi」という発音があります。 これらを日本語のカタカナで無理矢理表現する場合「チ」と書くしかなく、日本人は「chi」も「qi」も 同じ「チ」じゃないか、という考えに至ります。しかし、中国人にとっては「chi」と「qi」は全く異なる発音なのです。 ですから「qi」と発音すべきところで「chi」と発音してしまうと、全く意味が通らなくなるわけです。

ピンインと声調(四声)

中国語は漢字のみで表記し、日本語の仮名のようなものはありません。そこで漢字の読み方をわかりやすくするために、 1958年中国政府はピンインによる漢字のアルファベット表記法を打ち出しました。 今日では、中国の子供はまずこのピンインから学び始めるようになりました。 普通中国語学習においては数ヶ月~半年くらいかけてでも、まずこのピンインを完璧に押さえるものです。 どれだけ時間がかかってもこのピンインをマスターしてから文法など次のステップへ進みます。 また、中国語には声調と呼ばれるものがありますが、これはアクセントのようなものです。1字1字の発音に対して その音の語尾を上げるのか、下げるのか、同じ音の高さで発声するのか、あるいは一旦下げた語尾を再び上げるのか、 の4種類のアクセント方法があるのです。4種類あることからこの発声のことを四声とも言います。 このアクセントの方法によっても、意味が変わってきます。「ma」という1つのピンインで表せる発音も 四声によって意味が様々に変化します。 1つのピンインに対して4種類の音が存在します。ピンインは全部で約400近く存在しますから およそ1600パターンにも及ぶ発音をマスターしないといけないことになります。